<グリーンサイエンス研究センター 公開講演会 5>
「体内時計の分子機構を基盤にした創薬・育薬」 大戸茂弘先生 例えば、こんな例を ご存知ですか? * 化粧品 昼用・夜用 朝に使用する物は、紫外線から肌を保護してくれる成分を重視 夜に使用する物は、紫外線で傷んだ肌を回復してくれる成分を配合 * 風邪薬 昼用・夜用 昼に服用するのは、眠くなる成分 抗ヒスタミン薬を控えめに 夜に服用するのは、興奮作用のある カフェインを控えめに * 目覚まし時計 音を鳴らすだけでなく、太陽が上るイメージの光を部屋に放ちます。 さて ヒトの体の 昼バージョンと夜バージョンの差は? 朝起きると副腎皮質ホルモンが急激に上昇し、交感神経の活動が活発になり 逆に 夜眠りにつく頃には、副交感神経が優位になってゆくという風に 神経活動やホルモン分泌に日周リズムが存在します。 では、色々な病気の症状はどうなのでしょう? やはり、生体リズムに伴って、病気にも日周リズムが出てきます。 * 高血圧は、夕方頃 ピークに達し易く * 喘息は、深夜に悪化することが多く * 消化性潰瘍時の胃酸分泌増加は、夜間に起こる それに応じて、薬の飲み方も対応しているのでしょうか? * 最近では、薬の添付文書に投薬時刻が明記されていたり * 例えば、ステロイド剤の場合 本来ヒトの持っている日周リズムを崩さないように 午前中に大量 午後は少量という投薬設計がなされています。 さらに * 生体リズムを考慮した 時間制御型投薬システムの開発 * 服薬時刻に合わせて 処方を変更した製剤の開発 * 生体リズムそのものを 調整する薬の開発が進められています。 これを可能にするのが ヒトの生体リズムを制御している 時計遺伝子の機能と役割の解明です。 この研究が進み、臨床応用されれば 現在1日2~3回、均等に服用されている薬も、生体リズムを考慮して、 治療効果の高い時間帯には高用量 不必要な時間帯には投与量を減量することで 医薬品の適正使用の向上にもなりますし 薬物療法の最終ゴールが、(集団医療から)治療の個別化であるなら 個々の生体リズムに適した投与計画を構築することが必要不可欠とのお話でした。 人気ブログランキング に登録しています。 応援クリック よろしく (^-^)/
by kanpoaroma
| 2006-10-07 15:43
| グリーンサイエンス
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