カテゴリ:漢方( 63 )

認知症の漢方薬

8月27日(日)の漢方研究会では、久しぶりにツムラさんのお話がありました。

【 漢方製剤 最近の話題 】
特に印象的だったのは、「抑肝散 よくかんさん」の認知症への投与でした。

認知症患者の場合、実際に看護する側にとっては、
「計算が出来ない」 「日付が言えない」というような 認知症の中核症状よりも、
周辺症状であるBPSD(幻覚、徘徊、易怒、暴言、暴力行為など)のほうが、
ずっと辛いし、大変な負担となっています。

一般的には、このBPSDを抑えるために、抗精神病薬が使用されていますが
様々な副作用をもたらしたり、患者のADL(日常生活動作)を著しく低下させてしまいます。

「抑肝散」は、元々 小児の夜泣き、むずかり、疳の虫に使われる漢方薬です。
ある認知症患者が夜中に奇声を発して困る という訴えに対して、
子供の夜泣きと同じものと解釈して、抑肝散を処方したところ、
非常に効果があったので、BPSD全般に「抑肝散」の効果を確認してみることになったそうです。

認知症患者を対象に、
「抑肝散」投与群と通常治療のコントロール群との比較検討をしてみると
認知機能の評価については、有意な変化は認められなかったものの
抑肝散投与群では、BPSDの改善が有意に認められ、
予想外にADLも改善されたそうです。
これが、抗精神病薬との違いですね。

加齢とともに、赤ちゃん返りしたとしても
イライラと不機嫌になったり、怒りに身を任せたりするよりも
穏やかな 平安な気持ちで過ごす方が良いに決まってますもの。

「抑肝散」というのは、もう一つ 興味深い服用の仕方があります。
子母同服(しぼどうふく)と言って、お母さんも子供と一緒に服用するのです。
育児ノイローゼになりそうな お母さんの不安にも有効ということですね。

認知症の場合は、患者本人と介護家族が一緒に服用することで
鏡のように反映しあう気持ちの悪循環を、揃って快方に向かわせてくれるでしょうか?

本格的な高齢社会に向かい 漢方薬が見直される機会は多くなると確信しています。



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by kanpoaroma | 2006-08-29 19:08 | 漢方

夏の漢方薬

昨日は、漢方研究会でした。
内容は、夏向きの漢方薬についての話がメインでした。

漢方では、健康を支える3本柱を
「気 き」 「血 けつ」 「水 すい」と考えます。
「気」は、目に見えないエネルギー
「血」は、血液
「水」は、体の水分、潤い
この三つが充実し、滞らずに循環して、健康を保つことができるのです。

一方、夏の暑さのもとで、活動していると、ダラダラと汗をかいてしまいますが
この汗というのは、「気」と「水」とで できているのです。

夏に不足しがちな「気」と「水」を補ってくれるのが
「清暑益気湯 せいしょえっきとう」という漢方薬です。
暑気あたり、暑さによる食欲不振、下痢、倦怠感に有効です。

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右に見える9種類の生薬が
清暑益気湯の構成生薬です。


奥から
陳皮 ちんぴ(ミカンの皮)
黄柏 おうばく
甘草 かんぞう
五味子 ごみし
黄耆 おうぎ
当帰 とうき(アンジェリカルート)
白朮 びゃくじゅつ(おけら)
麦門冬 ばくもんどう(ジャノヒゲ)
人参 にんじん(俗に言う朝鮮にんじん)


最近では、夏といっても
冷たい飲食物の摂り過ぎや、冷房のかかり過ぎで、冷えの問題も大きくなっていますが
そんな中では、この「清暑益気湯」 伝統的な夏の漢方薬と言えるでしょう。
酸っぱくて、苦くて、ちょっぴり甘い 夏バテに効く味なのですよ。


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by kanpoaroma | 2006-08-28 11:19 | 漢方

歯痛の漢方薬

昨日、急に歯痛に襲われました。

いえ、虫歯の治療は済んだばかりなので、歯の問題ではなくて
歯茎が炎症を起こしているようなのですね。

あまりに熱心に 歯磨きをやり過ぎて、歯茎を傷めてしまった?(^-^;
ともかく 歯が浮いたような状態で、あれよあれよと痛みが増して
夕食の時には、食べ物をちゃんと噛むことも出来ずに
ゆるゆると時間をかけて 飲み込む状態になってしまいました。

私にとっては、ただならぬ痛さ(泣)
翌日になっても痛みが治まらないようなら 歯医者さんに行こうと思いながら
とりあえず、抗生剤と痛み止めを飲んで寝ました。

そうして今朝
だいぶ痛みも和らいで 薬を飲むかどうか 微妙なところ?
また、昨日のぶり返しになっても困るし。。。

そこで、今度は漢方薬を試してみることにしました。

「立効散 りっこうさん」
効能は、抜歯後の疼痛・歯痛
麻酔剤のような止痛効果と、消炎効果をあわせ持つ漢方薬です。
服用の仕方も独特で、ゴクゴクと飲むのではなく、
患部に当てるように ゆっくりと口に含みながら飲むのです。

そこで、エキス剤をマグカップに入れ、ひたひたになるように 少量のお湯を注ぎ、
電子レンジで20秒ほどチ~ン。ほぼ溶けた状態に、お水を足して好みの濃さにし(?)

痛い所に当たるように ゆっくりとぶくぶくうがいをしながら 飲みました が
かなり、苦いのですよねぇ。
構成生薬の一つ 「竜胆 りゅうたん」の味
名前を見て想像できるでしょうか? 熊の胆より さらに苦い 竜の胆!
実は、あの紫の花 リンドウの根っこです。炎症や痛みに効果があります。

同じく 構成生薬の一つ
麻酔効果のある 「細辛 さいしん」は、辛くて、舌がピリピリします。

結局、あまりのまずさに、全部は飲めなかったのですが(根性なし)

舌のピリピリがおさまる頃には、歯茎の痛みも、かなり和らぎ
すーーっと 痛みが消えてゆきました。(^-^)v

今度また 痛みが出てきた時には(そんなことにはなって欲しくないけれど)
真っ先に、飲んでみますよ 立効散!



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by kanpoaroma | 2006-08-04 15:21 | 漢方