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カテゴリ:グリーンサイエンス( 7 )

睡眠物質

<グリーンサイエンス研究センター 公開講演会 7>
「眠りの科学」
     昨日の続きです。

ただ眠らせるだけなら、麻酔薬だってありますが、これは問題外として
現在、不眠を抱える患者さん達に処方される催眠剤の多くは
ベンゾジアゼピン系の薬剤です。

望まれるのは、レム睡眠とノンレム睡眠のバランスの良い
できるだけ、自然に近い眠りです。

かつて繁用されていた睡眠薬が、レム睡眠を抑制して記憶障害を起こし易かったのに対し
(記憶を定着させるためには、レム睡眠が必要)
レム睡眠に対する抑制も少なく 安全性の高い催眠剤として評価されています。

それでも、非生理的な物質であることには変わりがありません。
そこで、着目されているのが、私達が眠くなった時に私達自身が生産するもの
睡眠を誘導する 内因性の「睡眠物質」と呼ばれるものです。


まず、犬を使った生体実験!
犬の眠りを邪魔して1週間 ・・・ 限界に達した犬が熟睡し始めた時
その犬の脳脊髄液を採取して、他の犬に注入すると
眠りの足りているはずの犬が、眠り始めます。しかも、自然な睡眠状態です。

つまり、眠くなった時には、眠りを誘発する物質が分泌されているのです。
これを睡眠物質と言います。

現在、数十種類の睡眠物質が同定されていますが、中でも、強力な働きを持っているのが、
中枢神経系で生産されるプロスタグランジン(PG)の一つであるPGD2と認められ
多くの研究が進められています。

このような 脳脊髄液を循環する睡眠物質による液性調節系
脳内に分布する睡眠中枢と覚醒中枢における情報伝達経路も明らかになってきました。


自然な眠りを与えてくれる 天然素材の快眠薬(あるいは、快眠食・快眠飲料)が
不眠に悩む多くの人たちの手に届くのも、遠くない未来でしょうか?



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by kanpoaroma | 2006-10-11 16:30 | グリーンサイエンス

眠りの科学

<グリーンサイエンス研究センター 公開講演会 6>
    「眠りの科学」
- 遺伝子から行動まで - 
    裏出 良博先生

眠りについては、アロマ環境協会(AEAJ)の検定試験の内容ですし
会員にとっては、馴染み深い話ですよね。


睡眠には2つの違ったパターンの睡眠があって
眠った直後におとずれる 深~い脳の眠り ノンレム睡眠

やがて おとずれる 眼球が忙しく動き始める眠り 
レム(Rapid Eye Movement)睡眠に移行します。
この時、ヒトの脳は夢を見ながら、体の筋肉は弛緩しています。

このことは、脳波を測定することで客観的に確かめられることなのですが
脳を休める ノンレム睡眠と、体を休めるレム睡眠は、
2つのパターンを1組として、約90分毎 一晩に4~5回繰り返しながら、
次第にレム睡眠が長くなり、ノンレム睡眠は浅くなって目覚めを迎えます。

ここまでは、AEAJのテキストにも載っている内容です。


さて!
睡眠障害に悩む多くの人達にとって 待ち望まれる催眠剤とは
この自然な睡眠のパターンを誘発してくれるものですよね?

                   そのお話は、また次回。。。



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by kanpoaroma | 2006-10-10 19:47 | グリーンサイエンス

昼のカラダ 夜のカラダ

<グリーンサイエンス研究センター 公開講演会 5>
「体内時計の分子機構を基盤にした創薬・育薬」 
  大戸茂弘先生

例えば、こんな例を ご存知ですか?

* 化粧品 昼用・夜用
朝に使用する物は、紫外線から肌を保護してくれる成分を重視
夜に使用する物は、紫外線で傷んだ肌を回復してくれる成分を配合

* 風邪薬 昼用・夜用
昼に服用するのは、眠くなる成分 抗ヒスタミン薬を控えめに
夜に服用するのは、興奮作用のある カフェインを控えめに

* 目覚まし時計
音を鳴らすだけでなく、太陽が上るイメージの光を部屋に放ちます。


さて ヒトの体の 昼バージョンと夜バージョンの差は?

朝起きると副腎皮質ホルモンが急激に上昇し、交感神経の活動が活発になり
逆に 夜眠りにつく頃には、副交感神経が優位になってゆくという風に
神経活動やホルモン分泌に日周リズムが存在します。


では、色々な病気の症状はどうなのでしょう?

やはり、生体リズムに伴って、病気にも日周リズムが出てきます。
* 高血圧は、夕方頃 ピークに達し易く
* 喘息は、深夜に悪化することが多く
* 消化性潰瘍時の胃酸分泌増加は、夜間に起こる


それに応じて、薬の飲み方も対応しているのでしょうか?

最近では、薬の添付文書に投薬時刻が明記されていたり
例えば、ステロイド剤の場合
  本来ヒトの持っている日周リズムを崩さないように
  午前中に大量 午後は少量という投薬設計がなされています。
さらに
生体リズムを考慮した 時間制御型投薬システムの開発
服薬時刻に合わせて 処方を変更した製剤の開発
生体リズムそのものを 調整する薬の開発が進められています。

これを可能にするのが
ヒトの生体リズムを制御している 時計遺伝子の機能と役割の解明です。


この研究が進み、臨床応用されれば
現在1日2~3回、均等に服用されている薬も、生体リズムを考慮して、
治療効果の高い時間帯には高用量 不必要な時間帯には投与量を減量することで
医薬品の適正使用の向上にもなりますし

薬物療法の最終ゴールが、(集団医療から)治療の個別化であるなら
個々の生体リズムに適した投与計画を構築することが必要不可欠とのお話でした。


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by kanpoaroma | 2006-10-07 15:43 | グリーンサイエンス

生命の営みの妙 日内休眠

<グリーンサイエンス研究センター 公開講演会 4>
昨日の続きです。

哺乳類、鳥類の冬眠を見てみると
中途覚醒を繰り返しながらも、1回の睡眠持続時間は24時間から数週間に及び
体温も環境温度近くまで下がり 0℃あたりで維持されるのに対し

「日内休眠」の場合は、休眠時間は1.5~22時間と短く
体温も10数℃以下を示すことは稀です。

では、日内休眠は、どんな条件下で起こり
動物にとって、どんな意味を持つのでしょう?

実験に用いられた小動物によって、休眠に至る条件は違っていたのですが
そのことに対する考察が、とても興味深く 生命の不思議さを感じさせてくれました。


まず考えられる条件としては
「寒冷」 「食物不足」 「日長の短縮」です。

* ハントウアカネズミの場合
環境温度25℃でも、短日刺激を与えることで、大半が日内休眠を始めました。
これは、彼らが冬眠に入る前の「秋」を感じての反応ではないかと。
冬眠に備えて食料を確保するために、食料収集にエネルギーを集中させ
それ以外の時は、低代謝状態に我が身をおいて、食料を消費しないようにするのです。
また、冬眠に入るためのウォーミングアップの意味もあるそうです。

* 野生ハツカネズミの場合
低温や短日曝露では、休眠は起こらず、食物不足によって誘導されました。
冬季には、慢性的な食料不足の状況に陥って休眠を始める例が、よく見られます。
これは、オスよりもメスに顕著に現れるそうですが・・・なぜでしょう?

* スンクスの場合
表題にもなっているスンクス。初めて聞く名前ですが
バングラディッシュ産の実験動物で、食虫類に属します。
(同じ実験小動物のハツカネズミやモルモットは、植物食中心のげっ歯類です)
環境温度25℃で、食物を絶やさなくても、毎日休眠に入ることが確認されていました。
20℃で、100%休眠に入り、30℃では、0%という結果です。
温かい地域を起源とするスンクスにとっては、20℃が寒冷と認識されるということで
これは、スンクスの持つ 虫食性にも関係がありそうです。


冬眠とは違う「日内休眠」について、初めて知りました。
生命の営みの微妙さを感じて、感嘆するばかりですが
最後に、このことに関する、ちょっと怖~~いお話を一つ

<怖~い話>
ハツカネズミをペットとして飼う家庭もあると思いますが
エサをやり忘れて、ハツカネズミが日内休眠に入ったとします。
触ってみても、体は冷たく 動くこともありません。
ハツカネズミが、日内休眠から覚めるまで、
何時間もそのまま観察を続ける飼い主はいるでしょうか?
すぐに、お墓に埋められてしまったら・・・?!!!


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by kanpoaroma | 2006-10-05 11:55 | グリーンサイエンス

冬眠未満 睡眠以上

<グリーンサイエンス研究所 公開講演会 3>

2番目のの演目は
「動物の環境悪化への生理的適応機構」
  - スンクスの日内休眠の特異性 - 
  森田哲夫先生

冬眠未満 睡眠以上
それが、「日内休眠」と呼ばれるもの
厳しい環境下で生きてゆく動物達の 素晴らしいワザなのです!

まずは、冬眠のおさらい
哺乳類や鳥類などの恒温動物の場合です。
厳しい冬を乗り切るための、動物達の越冬戦略として考えられることは?
一つは、その場から立ち去ること。「渡り」「移動」と呼ばれるものです。

もう一つの方法は、その場に留まり・・・
そのまま活動を継続してゆく動物もあれば、冬ごもり=冬眠をする動物もいます。

冬眠中の動物は、ずっとひたすら眠り続けるわけではないのですね。
中途覚醒を繰り返しながら、しだいに低体温・低代謝、より長い眠りへと移ってゆくのです。

冬眠中の最低体温記録というのは、ホッキョクジリスの -2.9℃だそうです。
これは、体温調節機能を放棄しているのはなく、その能力は健在で、
環境温度近くまで下がりながらも、一定の代謝状態は保っているのです。

そう、冬眠とは
低体温・低代謝状態を可逆的に保ちながら、エネルギーを節約し
冬の寒さと食物不足を乗り切り、越冬を成功させるための適応行動なのです。

一方、「日内休眠」と呼ばれるものは
休眠時の体温が10数℃以下になることは稀で、休眠時間も 1.5~22時間 と短く
冬眠は、長くて深い休眠。日内休眠は、短くて浅い休眠。とも表現されます。

では、どんな条件下で日内休眠は起こるのでしょう? 続きは次回。。。


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by kanpoaroma | 2006-10-04 16:32 | グリーンサイエンス

緑の香り

<グリーンサイエンス研究センター 公開講演会 2>
「緑の香り」って、ご存知ですか?

アロマテラピーの世界で
芳香成分として重要な意味を持つものは、
まず テルペン系と呼ばれる鎖状炭化水素です。

これは、炭素数5個(C5)のイソテルペンを基本単位とするもので
C10=モノテルペン、C15=セスキテルペン、C20=ジテルペンという風に
炭素数が5の倍数であるテルペン系炭化水素です。

精油に含まれる芳香化学物質のほとんどがこのテルペン系炭化水素か
または、水酸基(-OH)、アルデヒド基(-CHO)などの官能基と結合してできた
テルペン系炭化水素化合物です。

森林浴の効果を担うフィトンチッドと呼ばれるものも
このテルペン系化合物と考えられています。(

それに対して
「緑の香り」と呼ばれるものは、緑葉から発散される青臭いにおいで
(Z)-3-ヘキセノール Hex を主成分とする 4種類の青葉アルコールと
(E)-2-ヘキサナール を主成分とする 4種類の青葉アルデヒドなど
炭素数6個の鎖状アルコールとアルデヒドの複合的な香りなのだそうです。
人類の故郷の香り、安全安心を伝える香りということで

中でも、Hex
ヒトに対して濃度依存的な鎮静効果が現れることが報告されているそうです。
そして、今回のマウスのストレス緩和に使われたのも
緑の香りのうち、このHexだったのです。

そうそう
この緑の香りのうち、アルデヒド類だけが凝縮された物が
あの強烈な 「カメムシ」の臭い だそうです。
これに、適度にアルコール類がブレンドされて
ヒトにとってもマウスにとっても、癒し効果のある香りとなるのですね。

理想的なブレンド比率が確立されれば、商品化もできそうとか・・・?


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ちなみに、1月のアロマファーマコロジーシンポジウムで報告された
 香らない香気成分として 臨床応用された針葉樹林由来のセドロール
 セスキテルペンアルコールの1種です。


植物由来の香りを扱うアロマテラピーに関わりながら、「緑の香り」という
これら8種類の香り成分が、私の記憶の中には、全く存在しなかったというのが
私にとっては、逆に 新鮮というか 不思議というか・・・。

緑葉の成分と言うことで、
サイプレス、ユーカリ、ティートリー、ローズウッド、シナモンリーフ、モミ
などの成分分析表をチェックしてみましたが、確認できませんでした。
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by kanpoaroma | 2006-10-03 16:00 | グリーンサイエンス

グリーンサイエンス研究センター 公開講演会1

9月30日(土)の公開講演会から
心に残った 興味深い内容を、ここで2,3ご紹介したいと思います。

まず、最初の演目
「動物の情動・学習行動への環境刺激の影響」
  - みどりの香りとストレス緩和 -
   西尾廣昭先生

ストレス緩和について調べるには
まず実験動物にストレス刺激を与えなければなりません。
どんな刺激が与えられると思いますか?

・拘束
・恐怖条件(電撃そのものだったり、そういう状況の仲間を横に置いたり)
・強制水泳
・騒音
あまりに酷いストレスは、動物愛護団体からクレームが (-_-;

逆に、そのストレスを緩和する癒し刺激としては?
・ハンドリング(人間の手で撫でてやる)
・癒しの音楽(例えばモーツァルト K448)
・緑の香り(新緑、青葉、若葉)
・花の香り(ラベンダー、ジャスミン)

今回は
表題の通り、癒し刺激としては「緑の香り」を用い
対照薬物としては、抗不安薬 ジアゼパン(と、もう1種 不安惹起物質)を用いました。

マウスに対する不安関連行動への影響ついての評価と、
短期記憶に対する影響を検討したものです。

結果として
緑の香りもジアゼパンも、マウスに対して有意な抗不安作用を示しましたが
ジアゼパンは、抗不安作用発現と同時に短期記憶障害がみられたものの
緑の香りには、そういう影響は見られなかったとのことです。


この緑の香り については、また次回。。。


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by kanpoaroma | 2006-10-02 19:30 | グリーンサイエンス