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生命の営みの妙 日内休眠

<グリーンサイエンス研究センター 公開講演会 4>
昨日の続きです。

哺乳類、鳥類の冬眠を見てみると
中途覚醒を繰り返しながらも、1回の睡眠持続時間は24時間から数週間に及び
体温も環境温度近くまで下がり 0℃あたりで維持されるのに対し

「日内休眠」の場合は、休眠時間は1.5~22時間と短く
体温も10数℃以下を示すことは稀です。

では、日内休眠は、どんな条件下で起こり
動物にとって、どんな意味を持つのでしょう?

実験に用いられた小動物によって、休眠に至る条件は違っていたのですが
そのことに対する考察が、とても興味深く 生命の不思議さを感じさせてくれました。


まず考えられる条件としては
「寒冷」 「食物不足」 「日長の短縮」です。

* ハントウアカネズミの場合
環境温度25℃でも、短日刺激を与えることで、大半が日内休眠を始めました。
これは、彼らが冬眠に入る前の「秋」を感じての反応ではないかと。
冬眠に備えて食料を確保するために、食料収集にエネルギーを集中させ
それ以外の時は、低代謝状態に我が身をおいて、食料を消費しないようにするのです。
また、冬眠に入るためのウォーミングアップの意味もあるそうです。

* 野生ハツカネズミの場合
低温や短日曝露では、休眠は起こらず、食物不足によって誘導されました。
冬季には、慢性的な食料不足の状況に陥って休眠を始める例が、よく見られます。
これは、オスよりもメスに顕著に現れるそうですが・・・なぜでしょう?

* スンクスの場合
表題にもなっているスンクス。初めて聞く名前ですが
バングラディッシュ産の実験動物で、食虫類に属します。
(同じ実験小動物のハツカネズミやモルモットは、植物食中心のげっ歯類です)
環境温度25℃で、食物を絶やさなくても、毎日休眠に入ることが確認されていました。
20℃で、100%休眠に入り、30℃では、0%という結果です。
温かい地域を起源とするスンクスにとっては、20℃が寒冷と認識されるということで
これは、スンクスの持つ 虫食性にも関係がありそうです。


冬眠とは違う「日内休眠」について、初めて知りました。
生命の営みの微妙さを感じて、感嘆するばかりですが
最後に、このことに関する、ちょっと怖~~いお話を一つ

<怖~い話>
ハツカネズミをペットとして飼う家庭もあると思いますが
エサをやり忘れて、ハツカネズミが日内休眠に入ったとします。
触ってみても、体は冷たく 動くこともありません。
ハツカネズミが、日内休眠から覚めるまで、
何時間もそのまま観察を続ける飼い主はいるでしょうか?
すぐに、お墓に埋められてしまったら・・・?!!!


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by kanpoaroma | 2006-10-05 11:55 | グリーンサイエンス
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