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緑の香り

<グリーンサイエンス研究センター 公開講演会 2>
「緑の香り」って、ご存知ですか?

アロマテラピーの世界で
芳香成分として重要な意味を持つものは、
まず テルペン系と呼ばれる鎖状炭化水素です。

これは、炭素数5個(C5)のイソテルペンを基本単位とするもので
C10=モノテルペン、C15=セスキテルペン、C20=ジテルペンという風に
炭素数が5の倍数であるテルペン系炭化水素です。

精油に含まれる芳香化学物質のほとんどがこのテルペン系炭化水素か
または、水酸基(-OH)、アルデヒド基(-CHO)などの官能基と結合してできた
テルペン系炭化水素化合物です。

森林浴の効果を担うフィトンチッドと呼ばれるものも
このテルペン系化合物と考えられています。(

それに対して
「緑の香り」と呼ばれるものは、緑葉から発散される青臭いにおいで
(Z)-3-ヘキセノール Hex を主成分とする 4種類の青葉アルコールと
(E)-2-ヘキサナール を主成分とする 4種類の青葉アルデヒドなど
炭素数6個の鎖状アルコールとアルデヒドの複合的な香りなのだそうです。
人類の故郷の香り、安全安心を伝える香りということで

中でも、Hex
ヒトに対して濃度依存的な鎮静効果が現れることが報告されているそうです。
そして、今回のマウスのストレス緩和に使われたのも
緑の香りのうち、このHexだったのです。

そうそう
この緑の香りのうち、アルデヒド類だけが凝縮された物が
あの強烈な 「カメムシ」の臭い だそうです。
これに、適度にアルコール類がブレンドされて
ヒトにとってもマウスにとっても、癒し効果のある香りとなるのですね。

理想的なブレンド比率が確立されれば、商品化もできそうとか・・・?


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ちなみに、1月のアロマファーマコロジーシンポジウムで報告された
 香らない香気成分として 臨床応用された針葉樹林由来のセドロール
 セスキテルペンアルコールの1種です。


植物由来の香りを扱うアロマテラピーに関わりながら、「緑の香り」という
これら8種類の香り成分が、私の記憶の中には、全く存在しなかったというのが
私にとっては、逆に 新鮮というか 不思議というか・・・。

緑葉の成分と言うことで、
サイプレス、ユーカリ、ティートリー、ローズウッド、シナモンリーフ、モミ
などの成分分析表をチェックしてみましたが、確認できませんでした。
by kanpoaroma | 2006-10-03 16:00 | グリーンサイエンス
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